【論文】室温下で自己修復する高分子ポリマーの開発
概要
チオウレアとポリエチレングリコールを組み合わせた高分子ポリマーが、室温下で自己修復機能を発揮した。
従来の課題
・従来の自己修復ポリマーでは、「修復能力」と「強固さ」が両立できなかった。
・高分子では、強固である一方、分子鎖が室温でほとんど流動しないため熱をかけて流動させないと破断面が修復されない
・低分子で多数の水素結合を有するポリマーは、修復能力は高い一方、規則的な水素結合形成により結晶化し脆くなりやすい
新規性
「高い修復能力」かつ「強固さ」を両立する高分子ポリマーを開発した
キー技術、ポイント
・チオウレアの不規則的な水素結合により、アモルファス構造が形成され脆さを改善
・水素結合が組み変わることで、断面が再結合し自己修復機能が発現
・自己修復機能の駆動力が水素結合であるため、分子鎖が流動するような高温条件が必要ない